文系プログラマによるTIPSブログ

文系プログラマ脳の私が開発現場で学んだ事やプログラミングのTIPSをまとめています。

SEOなんて気にせず気持ちよくブログで記事を書こう

疲弊するのはよくないです。
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先日とあるSEOについて書かれた記事が結構なブックマーク数を集めていたので読んでみたのですが、どうなのかなあ・・・・と思ったので、SEOについて書いてみようと思います。

お前は誰なんだ

私はブロガーではありますが、会社でB to B to CのWEBサイトの、中〜大規模の開発をしている者です。所謂どこにでもいる老害窓際プログラマーです。

ブログでほそぼそと記事を書き、個人でGAEやGCSを使った動的サイトを複数開発・運営し、業務で動的サイトを沢山開発・保守しています。一応個人ブログが持つ側面と業務サイトが持つ側面の両方を少しだけ知っているつもりです。本当に少しだけ・・・

ブログとSEOと

さっそく本題のSEOについて。サイトのSEOではありません。個人ブログのSEOについてです


ブログのSEOなんて考えてないで記事を書いたり文章力を鍛えた方がいい


これが私の意見です。勿論正解ではありません。(後述しますがSEOに正解なんてありません)

私が見たサイトには、ググって頑張って探してきたであろうTIPSが書かれていました。そして「グーグルがこう言っている」という言葉も添えられていたりしました。まあそれ自体はそうなんだろうし、いいと思います。やろうとしている方向は合っているのかもしれません。しかし私は別にそんな事しなくていいと思っています。

私は業務でそのブログが対象にしているであろう記事数の100〜1000倍のコンテンツ量のサイトを開発をしており、そこそこ知名度のあるSEO業者から「こういう目的でこういう施策をこの期間でやりましょう」と日々依頼され、それを日々実装しています。

業務サイトで行うSEO施策の例

まず、仕事でどんな感じのSEO施策をしているのかをざっくり書いてみます。個人でググった程度のSEOではなく、SEO業者が提案するSEO施策内容についてのお話です。

ページ数を減らす施策

タイトルがどうとか、キーワードがどうとか、まあ確かにSEOの施策として存在します。

しかし業務で開発するサイトでは、コンテンツ量を調整する類の施策の方が重要度が高い気がしています。それは何故か。答えは「ページ数が多過ぎるから」です。業務サイトはほとんどが動的なサイトなので、検索条件を組み合わせると、簡単に数千万URLできてしまいます。多言語化すると、更に数倍になります。

検索エンジンも馬鹿ではないので、「このページとあのページは恐らく同じ」という事を察知して、本当にユニークになるコンテンツを検索結果として表示しようと努力します。しかしそれにも限界があるので、canonicalタグでページをまとめたり、alternateタグで多言語を調整・誘導したり、コンテンツ量の少ないページをnoindexしたり、GETだったページをPOSTにしてURLパラメータを除去したり、明示的に検索エンジンにそういった命令をし、ページ量を調整します。

ページ量を調整する施策をしないと、検索エンジン側で頑張ってページ内容を把握しようと頑張っても、その量が多すぎるが故、コンテンツが正しく認識される時間が遅くなってしまいます。なので、できるだけ不用意なインデックス化は避け、必要なページを必要なだけインデックスさせるような事を行います。

勿論某キュレーションサイトみたいなものはNGで、真実に基いた記事で検閲されたものが公開されないといけません。

ページ数を増やす施策

S3やFTPやSSIを使い、開発会社以外が自由にサイトにコンテンツを追加可能にできる仕組みを構築し、更にそれらコンテンツのURLを自由に設定できる施策なんかもよくあります。(格安の)ページ制作会社にページの制作を発注し、大量に追加コンテンツを作って貰う感じです。その際にページのヘッダー・フッターの共通化等でSSIを使ったり、何らかのテンプレート化をする事もあったりします。

他にも、開発会社が異なる複数のサイトを統合する事になり、ドメイン統合作業が発生する事もあります。各社でURLが被らないようにうまくディレクトリを調節し、且つドメイン統合の影響を最小限に抑えるため、リバースプロキシで頑張って統合するケースも多々あります。

最近ではスマホに力を入れだしているので、ドメインを統合しつつUAでスマホサイトにリダイレクト、しかもPCサイトとSPサイトでURLが異なるのに頑張ってURL変換してSPサイトにリダイレクトするなんて力技もあります。(これは地獄なのでできればやりたくない施策です・・・)

圧倒的物量で押す

大体業務で行うSEO施策はこんな感じのものが多いです。確かにタイトルタグやdescriptionの精度を上げるような、よくはてなブログに上がる経験に基づいたSEO施策TIPS記事みたいな事もやるのですが、そんなに沢山やりません。本当は凄く大事な事なのですけどね。

実際はそういった細かな調整よりも、重複しないページ・コンテンツをドカーンと増やす施策の方が結果が出る場合が多いようです。これが良い事なのか悪い事なのか、正直どっちも当たっていると思うので何とも言えません

ブログのSEOは

ここでブログに話を戻します。

記事の冒頭でブログのSEOは気にしなくていいと書きました。これは私が日々業務で個人ブログとは比較にならないページ数のサイトを開発しているからというのもありますが、他にも理由があります。それらをいくつか書いてみます。

各社のブログは最初からある程度SEOが考えられている

もちろんフルスクラッチで開発する業務サイト程の自由度はブログには無いので、「ある程度の施策」です。私ははてなブログを使っているのではてなブログの事しか言えませんが、各種SNS連携も設定一つで簡単にできるし、自動的にはてなコミュニティに記事が拡散します。

たかがSNS連携だって、OGPに関するタグをツラツラと、しかもfacebookやtwitterで内容が異なるようなタグも自動で設定してくれているのです。普通にこれをスクラッチしようとすると結構面倒です。各社の対応OGPを調べて実装する必要があるし、テストするのも大変です。

ユーザビリティとか

サイトのテンプレートも用意され、しかもレスポンシブ対応やモバイル特化のテンプレートも存在し、それもテーマを選ぶだけで簡単に行えます。最初からユーザビリティを考慮したサイト設計がなされたテーマもあるので、単にテーマを適用するだけで、ある程度のユーザビリティを獲得する事ができます

勿論ユーザビリティと言っても、色々な種類のユーザビリティが存在するので、抜けはあるとは思います。

ブログのページ数はどうだろう

大半のブログが1〜2000ページ程度じゃないでしょうか。重複を除外すると500〜1000ページくらいですかね。個人ブログだとそのくらいのページ数しか作れない場合がほとんどです。人間一人が作る記事数には限界があります。

ページ数を考えると、私を含む恐らく素人の経験則に基づいたSEO施策を1000ページに施しても、正直たかが知れています。タイトル調整やキーワード選定やページ更新を頑張る事で、確かに効果は出るとは思いますが、その効果が現れるであろう影響範囲が圧倒的に不足しているように思えます。

繰り返しになりますが、それら施策に意味は絶対に、必ず、100%有ると思っています。が、その影響範囲は小さい、と私は考えています。労力に見合う結果は正直出にくいのではないでしょうか

最初からブログがある程度のSEO施策を行ってくれているのに加え、SEO業者が組織的に調査したものでもなく個人で調査したレベルの施策になるので、益々その効果は薄くなるように思えます。

SEO施策でライバルに勝てるかもしれないじゃないか

確かに可能性はありますね。キーワード頻出率を計算し、タイトルの左から何文字目までに云々、等をした方がいいかもしれません。が、その程度で他ブロガーに勝てるんですかね。検索エンジンってそんな馬鹿じゃないので、もしライバルに勝っているとしたら、単に内容で勝っているのであって、SEO施策で勝っているわけではないのではないでしょうか。

ちょっとググった程度の施策で勝ってしまう闇の時代は大分前に終了しています。「SEO施策で勝った気になっているだけ」です。本当は内容で勝っているんです。

検索エンジン

検索エンジンの目指すところ

検索エンジンは、最終的に自分たちの利益を生み出す事が目的です。利益を多く生み出すには、規模を大きくする必要があります。規模が大きくなると、各種ルールを設定しないと、混沌とし、コントロール不能に陥り、利益予測ができなくなってしまいます。

グーグル等の検索エンジンは、自分たちが最大限力を発揮できるルールを利用者である私達に強います。そうする事で検索エンジンは力を発揮しやすくなり、利益を生み出す事ができ、更に機能追加・改善もしやすくなり、お互いにメリットが生まれます。どんなルールを設定すればいいのかを考える必要がありますが、その時代のトレンドによって姿を変え続け、ルールは日々変わります。

日々細かいルールが変わったり増えたり廃止されたりしていくのですが、それは検索エンジンが主導で行われ、ユーザへの通知無しに変わる事も多々あります。それに頑張って個人が追従しようとするのは、中々厳しいものがあります。

検索エンジン側としては、文字コードが今時SJISだしSEOについて全く何も解っていないけど、非常に良い事を言っている記事を埋もれさせたくありません。そういう記事を拾うことができれば、検索エンジン側の利益にも繋がるし、ユーザ側も検索エンジンに現れやすくなり、お互いにメリットがあります。

検索エンジンはルールを設定してはいますが、ITリテラシーが低いユーザにそれは伝わりません。ユーザ側が自分達の都合の良いルールに従う事を口を開けて待つよりも、自分達でSEO下手な人達が何を伝えようとしているのかを解釈しようと日々努力しています。

その常軌を逸した努力は日々精度を上げていき、徐々に昔流行ったSEO技は駆逐されていき、残ったTIPSは、「良い文章を書きましょう」「インチキしないようにね」「セキュリティ高めようね」等、割りと普通?のTIPSだけになりました。結局健全なWEBが最も自然で扱い易く、検索エンジンにもユーザにもメリットが増えるという事なのでしょうかね。

SEOに明確な答えは無い

SEOの話をすると、必ず根拠の無い、自分の経験則だけのオレオレ持論を持ち出してくる人がいます。そうなってしまうのは、そもそもSEOには答えが無いためです。googleのサイトを見ても、本当に具体的な事は書いてくれず、ちょっと曖昧にかかれています。

これは推測ですが、明確な答えを書いてしまうと、悪用されやすいからだと私は考えています。世の中には検索エンジンを容易に欺く頭脳を持ち、それを悪用しようとする人達が沢山、それはもう沢山います。ほんの少しでも手の内を見せてしまうと、googleでさえ付け込まれます。実際にブラックハットSEOという形で、悪意の歴史は続いていますね。

他にも、敢えて明確に書かない事で、少しだけユーザに自分の頭で物事を考えて欲しい、という側面もあるのかもしれません。ユーザが自立してくれれば、ルールに従わせるのも容易になって検索エンジンの機能・精度の向上がしやすくなり、ユーザ側としても検索エンジンが使いやすくなります。

曖昧な世界で正解を求めて彷徨う

結局検索エンジンを作っている人達しか正解(実装)を知らないので、実はSEO業者がやっている事にも根拠はありません。彼らは検索エンジンの敷いたレール(ルール)に脱線しないように乗り、仮定を作り、実践し、KAIZENしていっているだけです。正解が解らないので、恐らくこれで合っているだろうと仮定して施策しています。

そんな曖昧なSEOの世界で、組織でもなく個人で一人で書いているブログで、明確な根拠もないTIPSに右往左往して振り回されるよりも、適切な言葉で、伝えたい事を伝える事ができる文章を書くよう努力する方が、絶対に精神衛生上良いと思います。

では一体何をしたらいいか

SEOの事なんか一旦忘れて下さい。

もっとページ数が多いサイト・ブログを扱う事になったり、ブログでご飯を食べていく段階になってから考えて下さい。今は増えすぎたURL数の調整やクロール導線の構築なんて考えなくていいです。各社ブログも馬鹿ではないので、自動で導線が作られたり、最初からある程度カバーしてくれている事が多いです。

各社はSEOをある程度標準装備する事でユーザの記事が検索エンジンに現れやすくなり、最終的に広告収益等が増え、会社側の利益に繋がる+ユーザのブログの人気が向上する事に繋がるので、各ブログは日々機能追加をしています。

文章力

タイトルの文字数が云々よりも、文章の構成能力を鍛る事を検討すべきです。私は文章の専門家ではないので、どうやったら鍛えられるのかは他サイトを参考にして下さい。起承転結とか、正しい言葉・正しい表現方法・段落などなど、学校で勉強したような事です。

キーワードの選定云々、カテゴリ云々も確かに効果はあるとは思いますが、まずは土台となる文章、伝えたい事を伝えたい人に簡潔に伝える、といった事に纏わる勉強をするべきだと考えています。

現実世界の例を挙げると、パワポのプレゼンを思い浮かべて下さい。あれです。結論が書かれていなかったり、スライドの順番と文章の脈絡がちぐはぐだったり、スライドが長すぎて読む気が起きなかったり、あれですあれ。あれが上手くできる人は、限られた表示領域で、限られた時間で、伝えたい事を伝えたい人に伝える事ができる人です。それと同じ力があれば、ブログは成功し易いと思っています。

レイアウトとかUXとか視線移動とか

ヘッダの位置だとか、ここにこの要素があるとUX的にどうとか、人間の視線移動的に云々とか、スクロール量と視認領域とか、小難しい事はSEO要素として存在します。

完全ではありませんが、これらもある程度テーマが解決してくれます。ユーザは文章だけ書けば、カテゴリリンクの位置はヘッダー・フッター等は自動的に、人間工学に基いて(希望的観測)設計してくれているので、テーマだけ変えればまあまあ対応できたりします。

別にレスポンシブに対応したテーマを選ばなくても、モバイルのサイトはデフォルトで用意されているので、どちらでも構いません。SEOだのUXだのを考えず、自分の好みのテーマを選んじゃって下さい。微妙に気に入らなければ、独自cssで拡張するのもアリです。

画像サイズとか

画像の縦横の大きさは、最近のブログはレスポンシブ対応される場合が多いので、縦横が大きい画像でもまあ大丈夫です。というか、高解像度スマホを考えると、ある程度大きめの方がいいかもしれません。

画像のファイルサイズについては、数メガバイトにもなる画像を作る方が逆に難しいので、そんな心配いらないかあと思います。はてなブログの場合は画像はCDN通っているのでキャッシュされますし。(あまり巨大な画像はそもそもアップロードする時点で弾かれた気がします)

1点気をつけないといけないのは、最近問題になっていますが、著作権ですね。ネットでフリー画像を探す際は、画像の使用許諾・ライセンスを読みましょう。出典を明記してリンクする必要があったり、画像を改変する場合は権利者の許可が必須だったり、何もかも自由だったり、色々ありますので。

揉めるのが怖かったり自信が無ければ、素直にPIXTA等で購入するか、画像ソフトで自分で0から作りましょう。

雑感

業務でも根拠のない、結果が出るのかも解らないSEO施策に振り回されて疲弊しているので、せめてブログでは疲弊したくないなあ、と思い、記事を書いてみました。

ブロガー兼開発者の私としては、SEOとか面倒な事は基本的にブログに全部お任せで、ユーザは記事を気持ちよく書く事だけに集中したいですね。SEOとかに振り回されて文章が疎かになるよりも、SEO完全無視で良い文章が書いた方が絶対楽です。勿論それが最高の結果になるかと言われたらNOで、施策した方がいいに決まっています。その施策に効果があるのか、いつまで効果があるのか、解らないまま何となく彷徨のは精神衛生上よろしくない、ということです。

既にブログをやっている方には解ると思いますが、いざ記事を書いてみると、自分の伝えたい事ってユーザに全く伝わらないんですよね。「そんな事どこに書いてあるんだ」と言いたくなるような事をブコメされたり、「いや、それ書いてるじゃない。見てないのか・・・」と言いたくなる程文章を見ずにブコメされます。

そうなってしまうのも、文章の構成能力が低いためです。勝手な想像をされてしまう程言葉足らずだったり、逆に文章が長すぎて重要な部分に辿り着く前に離脱してブコメされたり。しかしそれを避けるために理論武装するのも嫌ですね・・・そういう細かい理論武装は仕事でお腹一杯です。

私としては人がやりたがらない事を頑張ってやろうとするよりも、せめてブログではそんな面倒な事考えずに気持ちよく文章を書いて欲しいと思っています。変に奇を衒ってブルーオーシャンを狙ってる風な姿勢を見せて敷居を上げようとせず、どんどん参入者が増えていった方がいいと思います。業界が盛り上がらないと、衰退あるのみですから。


こんな感じで細々としたSEOに右往左往されるよりも、そんな事は一旦全部忘れて記事を頑張って書く方に力を入れた方が、絶対楽だし長続きすると思っています。勿論業務サイトだったり生活がかかっている方は、血眼になって検索エンジンを追いかけましょうね ^^